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2020.12.28

虫歯予防の基本!フッ素塗布について学ぼう

歯の再石灰化を促し、虫歯予防につながるフッ素塗布。歯医者さんの定期健診などでもお馴染みかと思いますが、具体的にはどのようなメリット・注意点があるのでしょうか?

今回は、予防歯科の一環であるフッ素塗布について知っておきたいことをまとめました。

  • 歯磨き粉のフッ化物濃度

まずはフッ素について、最近話題になったことをみていきましょう。2017年、歯磨き粉に配合できるフッ化物濃度が今までの1,000ppmから1,500ppmまで引き上げられました。

欧米では1,000~1,500ppm程度のフッ化物が薬用はみがき粉に配合されることが一般的なのに対し、日本では1,000ppmまでしか配合することができませんでした。

このフッ化物濃度の引き上げにより、日本でも欧米と同等のフッ化物を歯磨き粉に配合できるようになりました。

  • 各国のフッ化物の推奨濃度

今回、日本でフッ化物の配合濃度が引き上げられましたが、「6歳未満の子供への使用については控える」という注意付きでの許可となっています。

この背景には、各国ごとのフッ化物の推奨濃度にかなり差があることがあります。推奨されるフッ化物の配合量・使用料は国ごとにかなりばらつきがあるのです。

例えば、イギリスでは3~6歳の子供には1,350~1,500ppmの薬用歯磨き粉を推奨しています。一方、日本やオランダでは500ppm、フィンランドでは1,000ppmを推奨しています。

フッ素は虫歯を予防する効果がありますが、多く摂取しすぎると体への悪影響が懸念されることもある成分です。フッ素について正しい知識を持ち、虫歯予防のために良い付き合い方をすることが大切なのです。

  • フッ素塗布のメリットと注意点

それでは、まずはフッ素塗布のメリットと注意点を確認していきましょう。

  • フッ素のメリット

・歯を丈夫に強くする(結晶性の向上)
・汚れを付着しにくくし、虫歯になりにくくする
・歯をしみにくくする
・歯の再石灰化
・細菌の酵素阻害

虫歯菌は、糖を栄養として繁殖します。糖を栄養にして活発になった虫歯菌が、酸を作り出すことで口の中が酸性に傾き、歯を溶かします。これによって歯が溶け、虫歯が進行します。

フッ素には口の中を酸性に傾きにくくする働きや歯そのものを強化する働き、また虫歯に溶かされた歯を再石灰化(再び硬い状態に戻すこと)する働きや細菌の酵素を阻害する働きなどがあります。これらの働きが合わさり虫歯を予防してくれます。

  • フッ素の大量摂取に要注意

歯や口の健康に優れているフッ素ですが、過剰摂取には注意が必要です。フッ素を大量に摂取すると、腹痛や下痢の症状を起こす中毒症になる場合があります。

ただし、大量のフッ素摂取とは、例えば歯磨き粉数本分といったように、通常の使用量とは異なる量を飲み込んだ場合のことです。一度の歯磨きや一回のフッ素塗布の量では、中毒症を起こすような量は使用されません。

  • フッ素に対する誤解

フッ素塗布をすると虫歯が治る・虫歯にならないと誤解している方が時々いらっしゃいます。これは誤解なので注意しましょう。普段からしっかりと歯磨きをし、定期的にフッ素塗布を行うことで初めて虫歯予防の効果が出ます。

  • 大人や子供へのフッ素塗布

フッ素塗布というと子供が行うものというイメージがあるかもしれませんが、大人の虫歯・歯周病予防にも効果的です。加齢によって歯茎が下がると、歯茎に守られていた部分が虫歯・歯周病になりやすくなります。

フッ素塗布をしてあげることで、歯茎が下がった箇所に汚れがつきにくくなり、虫歯・歯周病になりにくくすることができます。

  • 子供のフッ素塗布のタイミング

子供の場合、特に歯が生えたばかりの時期と乳歯から永久歯に生え変わる時期にフッ素塗布をすると良いでしょう。生えたばかりの歯は、歯が十分に硬くなっていないため虫歯になりやすい状態です。

フッ素塗布をすることで、歯を虫歯・歯周病になりにくい丈夫な歯にすることができます。

  • まとめ

いかがでしたか。今回は予防歯科治療として効果の高いフッ素塗布についてみていきました。歯を強くし、虫歯・歯周病から歯を守ってくれるフッ素は、使用量を守れば心配の必要はありません。

虫歯リスクを下げるためにも、フッ素とうまく付き合うようにしましょう。

副院長
森井 浩太

森井歯科医院

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