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2020.12.28

歯並びが悪いのは遺伝?意外と知らない生活習慣の関係

「子供に歯並びが遺伝しないか心配」「歯並びが悪くなるのを事前に予防したい」そんなお声をいただくことがあります。

歯並びが悪い原因には遺伝も関係していますが、実は遺伝だけが原因ではありません。

子供の歯並びを悪くしないためには、どのようなことが大切なのでしょう。今回は、歯並びと遺伝の関係・歯並びを悪くしないための対策について詳しくみていきましょう。

  • 歯並びは遺伝するの?

まず最初に、歯並びは遺伝するものなのでしょうか。

顔や背の高さ・声が遺伝するように、歯並びも同様に遺伝します。

だいたい先天的な要因が8割・後天的な要因が2割程度と言われており、子供の容姿に「お母さん似」「お父さん似」があるように、歯並びもどちらかに似る可能性があります。

また、歯の大きさや顎の大きさ・上顎と下顎どちらが出ているか(出っ歯または受け口)も遺伝します。

遺伝が原因で歯並びが悪いケースの多くは、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪い、または両親の上顎前突・下顎前突が遺伝しているケースです。

  • すきっ歯は頬杖によってもなる?

一方で、すきっ歯のように歯と歯の間が空いている場合には、遺伝的原因と後天的原因の両方が考えられます。

すきっ歯は、頬杖をつく習慣があったり、いつも同じ方向を向いて眠る習慣がある場合にもなることがあります。

このように、歯並びは遺伝で悪くなる場合と生活習慣が原因で悪くなる場合の両方があるといえます。

  • 歯並びは生活習慣も影響

歯並びは、特に幼少期の生活習慣によっても悪くなります。お子さんに以下のような習慣がある場合は注意しましょう。

・指しゃぶり
・舌の癖(舌で前歯を押す・舌を出す)
・頬杖をつく
・姿勢が悪い
・固い食べ物を食べない

歯並びは、特に上記のような生活習慣が子供のときにある場合悪くなるといわれています。

子供に指しゃぶりや姿勢が悪くなりやすい・頬杖をつくといった癖がある場合には意識的に直すように心がけましょう。

  • 固い物が嫌いなお子さんは要注意

また、固い物を食べずに柔らかいものばかり食べることで顎の発育が悪くなり、歯並びが悪くなることもあります。

人間の口は、奥歯で固い物をまずは左右にすり潰すようにかみ砕き、かみ砕いた食べ物を前歯に移動して上下運動によって噛み、咀嚼して飲み込むようにできています。

柔らかいものばかり食べていると、前歯だけで食べ物を噛んで飲み込むので、顎が発達しません。お子さんには、固い食べ物もバランスよく食べさせるようにしましょう。

  • 歯並びを悪くしないためには

歯並びを悪くしないためには、

指しゃぶりの癖を治す
姿勢が悪い際や頬杖をついている際に指摘してあげる
固い食べ物も食べさせる

ことが大切です。

特に子供の好きな食べ物は、柔らかい食べ物が多いです。カレーやハンバーグ・グラタンなどの子供の好きな料理は、多くの場合ほとんど噛まなくても食べられます。

子供が好きな食べ物ばかり食べさせるのではなく、根菜やタコ・イカなどの噛み応えのある体に良い食べ物も積極的に食べさせるようにしましょう。

  • 虫歯も歯並び悪化の原因

また、乳歯の虫歯も歯並びが悪くなる原因です。「乳歯は生え変わるから、虫歯になっても大丈夫」と考えている方はご注意ください。

乳歯の虫歯が増えると、噛む際に悪い癖がついてしまったり、本来の生え変わりのタイミングよりも早くに乳歯が抜けてしまうことがあります。その結果永久歯が生えるスペースがなくなり歯並びが悪くなります。

乳歯が虫歯になることで抜歯しなければならなくなると、それだけで顎や顔の歪みの原因にもつながります。甘い食べ物や飲み物を与えすぎず、歯磨きの際には仕上げ磨きもしてあげることで虫歯を予防するようにしましょう。

  • まとめ

歯並びの悪さは遺伝による原因だけでなく、実は生活習慣や虫歯も深く関係しています。また、成長過程にある子供の歯は、大人の歯に比べて動かしやすく歯並び改善もしやすいと言えます。

子供の歯並びが気になる場合は、生活習慣を見直す・子供のうちに矯正治療をすると良いでしょう。まずは子供の悪い癖を見直し、虫歯にさせないことで歯並び悪化を予防してみてはいかがでしょうか。

副院長
森井 浩太

森井歯科医院

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