「口の中が乾燥する」「唾液がネバネバした感じがする」そんな方は、ドライマウスの可能性があります。
成人の約4人に1人にドライマウスの症状がみられると言われており、薬の副作用やストレスなどさまざまな原因でドライマウスを発症します。
しゃべりづらさ・口臭の原因にもつながるドライマウス。今回は、ドライマウスの原因から対処法まで詳しくみていきましょう。
- ドライマウスの主な症状とは
ドライマウスは、お口の中の唾液の分泌量が減ることによって、お口の中が乾燥した状態になることを言います。
ドライマウスの具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
口の中がネバネバする
口の中がネバついて話しにくい
口臭がする
水をよく飲む
夜中に水を飲む
入れ歯が装着しにくい
乾いた食品を飲み込みにくい
話しづらい・唇がよくひび割れる
- 成人の4人に1人にみられるドライマウス
成人の約4人に1人にドライマウスの症状がみられると言われており、重症化すると舌のひび割れといった症状を引き起こします。また、ドライマウスは虫歯や歯周病のリスクを引き上げます。
特に高齢者の場合、摂食嚥下障害や感染症の原因にもつながるので要注意の症状です。
- ドライマウスの原因
原因は人によって様々ですが、特にここ最近は現代病のひとつとして、ドライマウスが捉えられることが多くなっています。
ストレスや緊張・不規則な生活習慣、抗うつ剤の副作用によってドライマウスの症状をうったえる人が増加しているからです。
また、糖尿病・更年期障害・シェーグレン症候群・脳血管障害といった病気のひとつの症状としてドライマウスの症状が現れる場合もあります。そのほかアルコール・カフェイン・塩分の摂りすぎや口呼吸もドライマウスの原因です。
- ドライマウスが全身疾患のサインの場合も
ドライマウスをただの口の渇きだと侮ってはいけません。
「最近働きすぎだからストレスのせいだろう」と考えてドライマウスを軽視していると、実は糖尿病の予備軍になっていたというケースも珍しくないからです。
ドライマウスは単独原因ではなく複数の原因によって発症していることも珍しくなく、放置したままにしておくと原因となっている病気を進行させてしまう恐れもあります。
全身疾患のサインとしてドライマウスの症状が現れていることもあるので、お口の中が乾いた症状が一定期間続いているようであれば、歯科医院または医院を必ず受診するようにしましょう。
- ドライマウスの対処法
ドライマウスは、症状としては同じ口の渇きでも、原因は人によってさまざまです。
まずは、ドライマウスの根本原因を探り治療を行うことが何よりの対処法となります。ご自身でドライマウスの原因を判断せずに、歯科医院・医院に症状を相談するようにしてください。
その上で、ストレスやアルコールの過剰摂取・カフェインや塩分の摂りすぎがドライマウスを引き起こしている場合は、まずは生活習慣を見直すようにしましょう。
乾燥によるドライマウスには、マスクの着用や加湿器の使用も有効です。お水をこまめに飲む・ガムや飴をなめることで唾液の分泌を促すこともドライマウスの症状の軽減につながります。
- ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを引き上げる
唾液の分泌量が減ることで、お口が乾いた状態となるドライマウス。唾液の量が減ると、虫歯や歯周病のリスクが上がることを覚えておきましょう。
唾液には、お口の中の歯垢や細菌を洗い流す働きがあります。しかしドライマウスによって唾液の分泌量が減ると、お口の汚れが浄化されにくくなり細菌が増えて虫歯・歯周病にかかりやすくなるのです。
虫歯・歯周病を予防するという意味でも、ドライマウスの症状が長く続く場合には歯科医院を受診するようにしましょう。
- まとめ
現代病の一種としても知られるドライマウス。
放置しておくと別の病気を進行させてしまう恐れもあります。
また、ドライマウスが原因で虫歯・歯周病を引き起こすこともあるので注意しましょう。
糖尿病や更年期障害のお薬によってドライマウスの症状が出ている場合は、担当医に相談することも大切です。
「ただの口の渇き」とドライマウスを軽視せずに、根本原因を治療して改善するようにしてくださいね。
副院長
森井 浩太