歯の定期健診に行くことは、長く健康でいるためにとても大切です。厚労省の掲げる8020運動(80歳になっても20本以上の自分の歯を保つ)を実現するためには、定期健診を受けることが重要であると各歯科医院や歯科医師会が推奨しています。
そんな歯・お口の健康のために欠かせない定期健診ですが、具体的にはどんなことを行うのでしょうか?また、定期健診にはどのくらい費用がかかるのでしょう?
今回は、そんな歯の定期健診について詳しくご紹介します。早速みていきましょう。
- 歯の定期健診の目的は?
定期健診の一番の目的は「お口の中を健康な状態に保つ」ために歯の専門家にチェックをしてもらうことです。お口の中に異常がないか、きちんと歯を磨けているか、虫歯や歯周病がないかを歯科医師・歯科衛生士に診てもらいます。
歯がしっかり磨けていない場合は、ブラッシング指導や歯のクリーニングを受けることで、お口が健康な状態に保てるようにします。
また、定期的に検診を受けることで、思いがけない疾病が発見される場合もあります。歯の定期健診に通うことは「一生自分の歯で食べ物を噛む」「身体とお口が長く健康である」ことにつながるのです。
- 歯の定期健診ではどんなことをするの?
では、具体的に歯の定期健診ではどのようなことを行うのでしょうか?少し難しい言葉でいうと、定期健診では二つの側面からお口の健康にアプローチしていきます。「プロフェッショナルケア」と「セルフケア」です。
この「プロフェッショナルケア」と「セルフケア」が両立し、歯・お口が健康な状態となるための診療・指導を行っていきます。
- プロフェッショナルケア
プロフェッショナルケアとは、歯科医師や歯科衛生士が行う診療や指導のことをいいます。具体的には、歯のクリーニング、フッ素塗布、虫歯・歯周病のチェック、入れ歯の調整、生活指導などのことです。
お口の専門家にプロフェッショナルケアを行ってもらうことで、自分自身で歯を磨くだけでは除去できない歯垢・歯石を取ってもらったり、虫歯・歯周病になりにくくする処置を行ってもらいます。
また、入れ歯や歯の詰め物・被せ物に異常がないか・不具合がないかを点検してもらい、お口の中が正常な状態を保てるためのチェックを行ってもらいます。
お口の健康には、タバコや栄養バランス、生活習慣病の有無も大きく関係します。生活習慣についても、お口の専門家である歯科医師・歯科衛生士が患者ひとりひとりに合わせて指導を行います。
- セルフケア
セルフケアとは、自分自身で行う歯磨きやデンタルフロスによるケアのことです。定期健診では、これらのセルフケアが正しく行えているかをチェックしてもらいます。
歯並びの状態や生活習慣、年齢、性別といった個人差により、歯垢のつきやすいところや虫歯になりやすい箇所は人それぞれ異なります。お口の中のどの部分を重点的に磨いたら良いか、正しい歯の磨き方、歯ブラシやデンタルフロスの使い方・選び方について定期健診で指導してもらいます。
このように、歯の定期健診では「プロフェッショナルケア」「セルフケア」2つの側面から専門家に診てもらい、お口が長く健康であるための指導・診療をしてもらいます。
- 定期健診にかかる費用・頻度は?
続いて、歯の定期健診にかかる費用や通う頻度はどのくらいなのかみていきましょう。
定期健診にかかる費用は、3,000円~4,000円ほどが相場です。虫歯になるリスクを調べる唾液検査を行う場合は、別途3,000円~7,000円必要になります。
また、定期健診に通う頻度は約3カ月に一回が一般的です。歯科医院によっては、患者さんごとに定期健診の頻度を変えている場合もあるので、通院している歯科医院に聞いてみましょう。
3カ月に一回定期健診に通った場合、年間でかかる費用は1万円前後。特に、歯周病になった場合、心臓病になるリスクが約2.5倍、脳卒中・脳梗塞になるリスクは2.6倍になることが明らかになっています。
将来かかる医療費のことを考えると、定期健診に通うことで全身疾患にかかるリスクを下げた方が、生涯医療費はグッと安くなるといえますね。
参考サイト1:日本心臓財団
参考サイト2:日本脳卒中学会講演
- まとめ
いかがでしたか?ここ数年で「予防医療」への関心が深まっていますが、歯やお口の健康のためにも、定期健診に通うことが大切だということをお分かりいただけたかと思います。
歯・お口の健康のためには「プロによるケア」と「自分自身のケア」の両立が大切です。歯の定期健診を習慣づけることで、ご自身の健康を守るようにしましょう。
副院長
森井 浩太